著作権関連の話題においてパブリックドメイン(Public Domain、公有)という言葉がしばしば出てくる。このパブリックドメインという言葉は特にソフトウェアの業界では根強く誤解されてきた用語であり、現在では少なくなった続きを読む “何故オープンソースはパブリックドメインを含まないのか?”
投稿者アーカイブ:Shuji Sado
オープンソースと自由ソフトウェアの違い
オープンソースという用語は自由ソフトウェア(Free Software)という用語を置き換えるために作られたのは周知の事実である。それならば、両者の意味する所は全く同じであるはずであるが、歴史的経緯により両者には別々にそ続きを読む “オープンソースと自由ソフトウェアの違い”
定義から見るオープンソースに至るまでの歴史
「オープンソースの定義」はDebianフリーソフトウェア・ガイドライン(DFSG)を流用したことは周知の事実であるが、何故Debianプロジェクトは一般的にはFree Softwareという用語の祖とも管理者ともみなされ続きを読む “定義から見るオープンソースに至るまでの歴史”
何故、TerraformのBUSL-1.1へのライセンス変更は反発を受けたのか?
2023年8月10日、長らくオープンソース業界の優等生として一般的に扱われてきたHashiCorp社がTerraformを含む全ての製品と幾つかのライブラリの将来のリリースについて、Mozilla Public Lice続きを読む “何故、TerraformのBUSL-1.1へのライセンス変更は反発を受けたのか?”
SSPLのライセンス条文とその適格性に関するメモ
SSPL(Server Side Public License)は2018年10月にMongoDB社が発表したライセンスである。MongoDBはそれまでAGPLv3(GNU Affero General Public L続きを読む “SSPLのライセンス条文とその適格性に関するメモ”
日米OSDN離合集散、苦闘の21年史
ついに退職エントリだ。米国のオープンソース・ムーブメントを日本で再現するためのコアを作るために民間企業へやってきたはずだった。それから21年、随分と長い航海になってしまったが、結局様々な尻拭いを続けてきたという感慨ばかりが起きてくる。
いわゆるガラパゴス化という言葉の起源
ガラパゴスとは、言わずと知れた東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の島々のことだが、日本においてはもう一つ意味がある。いわゆるガラパゴス化と呼ばれるIT界隈を中心に日本で独自進化を起こすサービスやプロダクトが発生する現象や状態を指すガラパゴスの起源はおそらく私にある。
オープンソース・プログラム・オフィスとは何か? (ぼくがかんがえた最強のOSPO)
GoogleやMicrosoftといったビッグテックにOpen Source Program Office (OSPO)という部署が存在することは日本でも知られているが、現在では多くのグローバルIT企業にも同名の部署が存在する。近年では中国系の企業での設置が目立つが、日本でもサイボウズ、メルカリといった企業には存在するようだ。
OSSという日本でしか通用しない三文字略語について
英語圏ではそもそも「Open Source」という単語だけで我々が知るところの自由なソフトウェアを指し示すので、そもそも「OSS」の三文字目が必要ないのである。では、何故日本ではOpen SourceのことをOSSと書くことが割と多いのだろうか?
オープンソースはソフトウェア限定の用語なのか?
オープンソースという語はフリーソフトウェアを意味すると考えるべきであり、誰がどのような目的でも自由に実行、コピー、研究、変更、頒布できる権利があるソフトウェアであるということを多くの人に留意してもらいたい。
LinkedInを利用する意義
LinkedInでの変化を調べ続けることで、企業の人事や戦略を正式なリリースに頼らずに把握することが可能になる。採用規模からその事業への投資規模も大体把握ができ、戦略の変更を察知することもできる
ドットコムバブルの終焉とVA Linux Systemsの崩壊
LinuxWorldの基調講演という場で華々しく発表されたAndover.netの買収はオープンソースコミュニティへは大きなインパクトを与えたが、市場の反応はその逆だった。ハードウェア事業とはかけ離れた事業に大きく投資す続きを読む “ドットコムバブルの終焉とVA Linux Systemsの崩壊”
何故、VA LinuxはAndoverを買ったのか?
1999年12月9日、VA Linux社は驚異的なIPOを成し遂げたが、直近四半期の売上は1,700万ドル、資産もほとんどがIPOで得た現金であり、1億5000万ドル程度の規模でしかなかった。 100億ドルに迫る時価総額続きを読む “何故、VA LinuxはAndoverを買ったのか?”
映画「Revolution OS」について
例によって一回脱線し、既に何度か言及している「Revolution OS」という映画について書いておく。
VA LinuxのIPO:13ドル、23ドル、30ドル、そして 300ドルへ
LinuxOneの騒動でまだコミュニティがごたついていた1999年10月8日、とうとうVA Linux Systems社がIPOを申請した。Red Hatの後に何故か間に3社が挟まれ、それぞれ印象的な結果を残したが、市場続きを読む “VA LinuxのIPO:13ドル、23ドル、30ドル、そして 300ドルへ”
Red Hat、Cobalt、Andover、そしてLinuxOne?のIPO
1999年、シリコンバレー周辺地域はバブルに浮かれていた。インターネットが少しずつ利用を広げる内にインターネットが世界を一変させるという過度な期待が先行するようになり、また当時の金融政策の影響もあって、利益の裏付けどころ続きを読む “Red Hat、Cobalt、Andover、そしてLinuxOne?のIPO”
バブル期までのLinuxイベント
SNSのTLをだらだらと眺めていると何やらイベントらしき写真が流れてきた。Open Source Summit Japanというイベントが開催中らしい。今時にオープンソースイベントか!と若干心が踊りつつ、アクセスしてみる続きを読む “バブル期までのLinuxイベント”
オープンソースバブルへの道、VA ResearchからVA Linuxへ
オープンソースという言葉がVA Research社のオフィスで誕生して以降、VAを取り巻くビジネス環境は激変することになった。 創業からの数年間は成長とは言っても微々たるものであり、200万ドル程度の年商、つまり当時の秋続きを読む “オープンソースバブルへの道、VA ResearchからVA Linuxへ”
ソースウェアムーブメントになっていたかもしれない話
VA社からは完全にずれるが、ソースウェア(Sourceware)という語についてもう20年近く心の奥底で気になっていたので供養として書いておく。
オープンソースの誕生
VA Researchの歴史においてオープンソースは外せない話題であるが、特に1998年の2月から4月までの期間はVAを抜きにしてもオープンソースにとって極めて重要な出来事が多いのでやや詳細に書いていく。現在、一般的にオ続きを読む “オープンソースの誕生”