日米OSDN離合集散、苦闘の21年史

ついに退職エントリだ。米国のオープンソース・ムーブメントを日本で再現するためのコアを作るために民間企業へやってきたはずだった。それから21年、随分と長い航海になってしまったが、結局様々な尻拭いを続けてきたという感慨ばかりが起きてくる。

いわゆるガラパゴス化という言葉の起源

ガラパゴスとは、言わずと知れた東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の島々のことだが、日本においてはもう一つ意味がある。いわゆるガラパゴス化と呼ばれるIT界隈を中心に日本で独自進化を起こすサービスやプロダクトが発生する現象や状態を指すガラパゴスの起源はおそらく私にある。

オープンソース・プログラム・オフィスとは何か? (ぼくがかんがえた最強のOSPO)

GoogleやMicrosoftといったビッグテックにOpen Source Program Office (OSPO)という部署が存在することは日本でも知られているが、現在では多くのグローバルIT企業にも同名の部署が存在する。近年では中国系の企業での設置が目立つが、日本でもサイボウズ、メルカリといった企業には存在するようだ。

オープンソースはソフトウェア限定の用語なのか?

オープンソースという語はフリーソフトウェアを意味すると考えるべきであり、誰がどのような目的でも自由に実行、コピー、研究、変更、頒布できる権利があるソフトウェアであるということを多くの人に留意してもらいたい。

ドットコムバブルの終焉とVA Linux Systemsの崩壊

LinuxWorldの基調講演という場で華々しく発表されたAndover.netの買収はオープンソースコミュニティへは大きなインパクトを与えたが、市場の反応はその逆だった。ハードウェア事業とはかけ離れた事業に大きく投資す続きを読む “ドットコムバブルの終焉とVA Linux Systemsの崩壊”

何故、VA LinuxはAndoverを買ったのか?

1999年12月9日、VA Linux社は驚異的なIPOを成し遂げたが、直近四半期の売上は1,700万ドル、資産もほとんどがIPOで得た現金であり、1億5000万ドル程度の規模でしかなかった。 100億ドルに迫る時価総額続きを読む “何故、VA LinuxはAndoverを買ったのか?”

VA LinuxのIPO:13ドル、23ドル、30ドル、そして 300ドルへ

LinuxOneの騒動でまだコミュニティがごたついていた1999年10月8日、とうとうVA Linux Systems社がIPOを申請した。Red Hatの後に何故か間に3社が挟まれ、それぞれ印象的な結果を残したが、市場続きを読む “VA LinuxのIPO:13ドル、23ドル、30ドル、そして 300ドルへ”

Red Hat、Cobalt、Andover、そしてLinuxOne?のIPO

1999年、シリコンバレー周辺地域はバブルに浮かれていた。インターネットが少しずつ利用を広げる内にインターネットが世界を一変させるという過度な期待が先行するようになり、また当時の金融政策の影響もあって、利益の裏付けどころ続きを読む “Red Hat、Cobalt、Andover、そしてLinuxOne?のIPO”

バブル期までのLinuxイベント

SNSのTLをだらだらと眺めていると何やらイベントらしき写真が流れてきた。Open Source Summit Japanというイベントが開催中らしい。今時にオープンソースイベントか!と若干心が踊りつつ、アクセスしてみる続きを読む “バブル期までのLinuxイベント”

オープンソースバブルへの道、VA ResearchからVA Linuxへ

オープンソースという言葉がVA Research社のオフィスで誕生して以降、VAを取り巻くビジネス環境は激変することになった。 創業からの数年間は成長とは言っても微々たるものであり、200万ドル程度の年商、つまり当時の秋続きを読む “オープンソースバブルへの道、VA ResearchからVA Linuxへ”

オープンソースの誕生

VA Researchの歴史においてオープンソースは外せない話題であるが、特に1998年の2月から4月までの期間はVAを抜きにしてもオープンソースにとって極めて重要な出来事が多いのでやや詳細に書いていく。現在、一般的にオ続きを読む “オープンソースの誕生”

オープンソースの源流、VAリサーチ社の黎明期

昔々、VA Researchという会社がシリコンバレーにあった。この社名を知っている人は日本ではほとんど存在しないが、この会社はVA Linux Systemsと名を変え、その後に歴史的な株式公開を果たして上場会社となっ続きを読む “オープンソースの源流、VAリサーチ社の黎明期”

コミュニティにとって望ましくない商標登録出願に対する特許庁への情報提供の方法について

私が商標関連でかなりの個人資金を使ってまで悪戦苦闘していたのは、もう10年前のことだ。その当時の私の経験や世界的にいろいろ発生した商標関連の事件のおかげで、オープンソースコミュニティには対処スキルが蓄積されたと思っていた続きを読む “コミュニティにとって望ましくない商標登録出願に対する特許庁への情報提供の方法について”