
文書

オープンソースとは何か?
Open Source Definition(オープンソースの定義) 逐条解説書
ver 1.0, 2024年1月22日
技術者から法務の実務者まで幅広くオープンソースに関する理解を深められるようにオープンソースの根幹である「オープンソースの定義」を一条ずつ順を追って意義・要件・効果等について解説を付していく。
最近の投稿
NVIDIA Open Model Licenseのオープンソース性と利用における問題点のメモ
先日、NVIDIAがリリースしたオープンウェイトのAIモデル「Nemotron 3」に関し、それをオープンソー…
生成AIツールを利用して開発されたソースコードにはどこから著作権が発生するのか?
GitHub Copilotが登場した頃、多くの開発者はコーディングの補助ツールと捉えていた。「役に立つのは分…
GPLコードを学習したAIモデルにGPLが伝播するという理論の現在地
2021年にGitHub Copilotが登場した当時、そのモデルの学習データにGitHub上のあらゆる公開さ…
過剰で厳格なCode of Conduct(行動規範)が多くのオープンソース・プロジェクトに不要な理由
オープンソースのプロジェクトで採用されているCoC (Code of Conduct, 行動規範)を巡る議論が…
契約としてのオープンソース・ライセンスの歴史と現実に迫る違反リスク :契約×著作権の二層執行の時代へ
米国においてオープンソース・ライセンスが契約ではなく「著作権の一方的な許諾」であると長らく見做され、Jacob…
一方的許諾としてのオープンソース・ライセンスの概念はどこから来たのか?
日本ではオープンソースライセンスをライセンス契約として見做すことが一般的な見解であり、これはEUでも同様である…
OpenMDWライセンス初期評価:オープンAIライセンスの革命か、オープンウォッシュの免罪符か?
オープンソースライセンスで頒布されるAIモデルが増えてきてはいるが、トレーニングデータを含めた全ての関連コンポ…
AIモデルがオープンソースであるために完全な学習データの公開は必要なのか?
DeepSeekは世界に衝撃を与えているが、その要因としては、中国から米国の巨大AIベンダーを脅かす新たな勢力…
何故、TerraformのBUSL-1.1へのライセンス変更は反発を受けたのか?
2023年8月10日、長らくオープンソース業界の優等生として一般的に扱われてきたHashiCorp社がTerr…
小話
GEMA v. OpenAI (ミュンヘン第一地裁)判決雑感
ドイツの音楽著作権管理団体であるGEMAが、ChatGPTの運営元であるOpenAIを相手取りミュンヘン第一地方裁判所へ提起した訴訟において、GEMAが求めてい…
Grok 2.5がオープンソースではない理由とそのライセンスの問題点
2025年8月、イーロン・マスク率いるxAIがGrok 2.5のモデルウェイトをHugging Face上で公開した。報道では「オープンソース化」と表現され、マ…
オープンソースプロジェクトはAI生成コードをどのように受け入れるべきか? — QEMUの禁止ポリシーからの教訓
QEMUプロジェクトは、AIツールによって生成されたコードによる貢献を拒否する方針を正式に取り決めた。その核心的な理由は、貢献者が提出するパッチの正当性を証明す…
何故、DebConfは日本で未開催なのか?自由の闘士を来日させる道程
Debian Projectが毎年開催している開発者会議「DebConf」というイベントがある。もう随分と長い歴史があるのだが、一度として日本で開催したことはな…
AIは仕事を奪うのか?AIと人間はどちらが最終決定を担うのか?
AGIという言葉が至る所で叫ばれているが、人間の行動のあらゆる側面が本当にAIに置き換えられるようになるのだろうか?現時点において依然として自分は懐疑的に見てい…
DeepSeekは何故ユーザーの検閲を行いつつオープンソースなのか? – 中国における生成AI規制
DeepSeekアプリがユーザーの入力や出力といった情報を中国内のどこかに送信している可能性について世界中で大騒ぎとなっているが、これは特に今始まったことではな…
いわゆるガラパゴス化という言葉の起源
ガラパゴスとは、言わずと知れた東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の島々のことだが、日本においてはもう一つ意味がある。いわゆるガラパゴス化と呼…
AIとオープンソース
生成AIツールを利用して開発されたソースコードにはどこから著作権が発生するのか?
GitHub Copilotが登場した頃、多くの開発者はコーディングの補助ツールと捉えていた。「役に立つのは分かるが、コーディングの全てを任せるようなツールでは…
GPLコードを学習したAIモデルにGPLが伝播するという理論の現在地
2021年にGitHub Copilotが登場した当時、そのモデルの学習データにGitHub上のあらゆる公開されたオープンソースのソースコードが含まれていること…
オープンソースプロジェクトはAI生成コードをどのように受け入れるべきか? — QEMUの禁止ポリシーからの教訓
QEMUプロジェクトは、AIツールによって生成されたコードによる貢献を拒否する方針を正式に取り決めた。その核心的な理由は、貢献者が提出するパッチの正当性を証明す…
AIは仕事を奪うのか?AIと人間はどちらが最終決定を担うのか?
AGIという言葉が至る所で叫ばれているが、人間の行動のあらゆる側面が本当にAIに置き換えられるようになるのだろうか?現時点において依然として自分は懐疑的に見てい…
AIモデルがオープンソースであるために完全な学習データの公開は必要なのか?
DeepSeekは世界に衝撃を与えているが、その要因としては、中国から米国の巨大AIベンダーを脅かす新たな勢力が現れたことに加え、AIモデルがMITライセンスと…
オープンソースAIとは何か? – Open Source AI Definition策定経緯とドラフト版概説
オープンソースAI(Open Source AI)とは、オープンソースの状態にあるAIシステムのことである。これはある意味で自明なのではあるが、「オープンソース…
オープンソース根本原則
契約としてのオープンソース・ライセンスの歴史と現実に迫る違反リスク :契約×著作権の二層執行の時代へ
米国においてオープンソース・ライセンスが契約ではなく「著作権の一方的な許諾」であると長らく見做され、Jacobsen v. Katzerの訴訟でその効力が法的に…
一方的許諾としてのオープンソース・ライセンスの概念はどこから来たのか?
日本ではオープンソースライセンスをライセンス契約として見做すことが一般的な見解であり、これはEUでも同様である。しかし、オープンソースのあらゆる側面においての原…
オープンソースAIとは何か? – Open Source AI Definition策定経緯とドラフト版概説
オープンソースAI(Open Source AI)とは、オープンソースの状態にあるAIシステムのことである。これはある意味で自明なのではあるが、「オープンソース…
「頒布」という訳語を使用するのは何故か?
オープンソースに限らずソフトウェア業界においては、distributeもしくはdistributionという単語を使用することが多い。そして、その単語への日本語…
倫理を振りかざすライセンスが好ましくないのは何故か?
オープンソースが社会で受容されるにつれ、コミュニティの中においても一定の倫理が求められる傾向が強まっている。Code of Conduct(行動規範)を定める開…
オープンソースにおける無保証と免責の条項
オープンソースの定義にはオープンソースであるライセンスで定めるべき条件もしくは定めてはいけない条件が記述されているが、オープンソース・ライセンスと呼ばれるものに…
何故オープンソースはパブリックドメインを含まないのか?
著作権関連の話題においてパブリックドメイン(Public Domain、公有)という言葉がしばしば出てくる。このパブリックドメインという言葉は特にソフトウェアの…
オープンソースと自由ソフトウェアの違い
オープンソースという用語は自由ソフトウェア(Free Software)という用語を置き換えるために作られたのは周知の事実である。それならば、両者の意味する所は…
定義から見るオープンソースに至るまでの歴史
「オープンソースの定義」はDebianフリーソフトウェア・ガイドライン(DFSG)を流用したことは周知の事実であるが、何故Debianプロジェクトは一般的にはF…
VA Linux/OSDNとオープンソースの歴史
オープンソースの源流、VAリサーチ社の黎明期
昔々、VA Researchという会社がシリコンバレーにあった。この社名を知っている人は日本ではほとんど存在しないが、この会社はVA Linux Systems…
オープンソースの誕生
VA Researchの歴史においてオープンソースは外せない話題であるが、特に1998年の2月から4月までの期間はVAを抜きにしてもオープンソースにとって極めて…
ソースウェアムーブメントになっていたかもしれない話
VA社からは完全にずれるが、ソースウェア(Sourceware)という語についてもう20年近く心の奥底で気になっていたので供養として書いておく。 オープンソース…
オープンソースバブルへの道、VA ResearchからVA Linuxへ
オープンソースという言葉がVA Research社のオフィスで誕生して以降、VAを取り巻くビジネス環境は激変することになった。 創業からの数年間は成長とは言って…
バブル期までのLinuxイベント
SNSのTLをだらだらと眺めていると何やらイベントらしき写真が流れてきた。Open Source Summit Japanというイベントが開催中らしい。今時にオ…
Red Hat、Cobalt、Andover、そしてLinuxOne?のIPO
1999年、シリコンバレー周辺地域はバブルに浮かれていた。インターネットが少しずつ利用を広げる内にインターネットが世界を一変させるという過度な期待が先行するよう…
VA LinuxのIPO:13ドル、23ドル、30ドル、そして 300ドルへ
LinuxOneの騒動でまだコミュニティがごたついていた1999年10月8日、とうとうVA Linux Systems社がIPOを申請した。Red Hatの後に…
映画「Revolution OS」について
例によって一回脱線し、既に何度か言及している「Revolution OS」という映画について書いておく。 Revolution OSは、Richard Stal…
何故、VA LinuxはAndoverを買ったのか?
1999年12月9日、VA Linux社は驚異的なIPOを成し遂げたが、直近四半期の売上は1,700万ドル、資産もほとんどがIPOで得た現金であり、1億5000…
ドットコムバブルの終焉とVA Linux Systemsの崩壊
LinuxWorldの基調講演という場で華々しく発表されたAndover.netの買収はオープンソースコミュニティへは大きなインパクトを与えたが、市場の反応はそ…
日米OSDN離合集散、苦闘の21年史
ついに退職エントリだ。米国のオープンソース・ムーブメントを日本で再現するためのコアを作るために民間企業へやってきたはずだった。それから21年、…
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