OSSという日本でしか通用しない三文字略語について

OSSとは… 20年前はOpen Sound Systemを意味する略語のことだった。少なくともLinuxコミュニティではそうだった。

Open Sound SystemはUNIX系のプラットフォームで利用できるサウンドシステム(ドライバ)であり、Linuxでは標準サウンドシステムであった。OSSと言えばこれを指しており、当時生まれたばかりのOpen Sourceという新語の略語としてOSSを使うということはほぼなかった。

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オープンソースはソフトウェア限定の用語なのか?

上記のようなツイートを見かけた。
特に変わった内容ではないと思われる方も多いと思うが、私にとっては実に興味深い視点で書かれていると感じた。一つはこの方がオープンソースのソースはソースコードのソースであると言っている点。もう一つはオープンソースはソフトウェア(ソースコード)を指し示す用語であると暗に言っている点である。

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LinkedInを利用する意義

LinkedInは世界最大のビジネス向けのSNSらしい。ただ、日本ではとりあえず登録したものの人材、不動産、マルチと謎のVIPやセレブからの怪しい勧誘がやってくるサイトという認識を持っている方のほうが多いのではないだろうか。転職に使えないことはないのかもしれないが、他の転職サイトや下手をするとTwitterのほうが日本では転職に使えるケースが多いだろう。

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ドットコムバブルの終焉とVA Linux Systemsの崩壊

LinuxWorldの基調講演という場で華々しく発表されたAndover.netの買収はオープンソースコミュニティへは大きなインパクトを与えたが、市場の反応はその逆だった。ハードウェア事業とはかけ離れた事業に大きく投資する意味を当時では見出すことは難しいことは容易に想像できる。そのため、VA Linux社はまた即座に行動しなければなかった。

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何故、VA LinuxはAndoverを買ったのか?

1999年12月9日、VA Linux社は驚異的なIPOを成し遂げたが、直近四半期の売上は1,700万ドル、資産もほとんどがIPOで得た現金であり、1億5000万ドル程度の規模でしかなかった。 100億ドルに迫る時価総額をとうてい正当化しそうもないのは明らかであった。そのため、ある程度の調整が入ることは仕方がないとしても、このあまりにも高過ぎる評価を維持するために即座に行動を起こすことがVA Linux社の取締役会へ求められた。足下のハードウェア事業についてはさらに引き続き高い成長を見せていることは分かっていたが、今は手元に現金と驚異的な評価が付いた株式がある。必然的にこれを効率的に使用して企業買収を行い、VA Linux社の価値を高めなければならなかった。

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VA LinuxのIPO:13ドル、23ドル、30ドル、そして 300ドルへ

LinuxOneの騒動でまだコミュニティがごたついていた1999年10月8日、とうとうVA Linux Systems社がIPOを申請した。Red Hatの後に何故か間に3社が挟まれ、それぞれ印象的な結果を残したが、市場はとうとう本命がやってきたと騒ぎ始めた。

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Red Hat、Cobalt、Andover、そしてLinuxOne?のIPO

1999年、シリコンバレー周辺地域はバブルに浮かれていた。インターネットが少しずつ利用を広げる内にインターネットが世界を一変させるという過度な期待が先行するようになり、また当時の金融政策の影響もあって、利益の裏付けどころか製品およびサービスすら存在しないプレゼン一枚だけであってもネット関連というだけで莫大な資金調達が可能になり、黒字が全く見込まれなくても株式公開が行われるという状況になっていた。.comというドメインサフィックスからそれらのベンチャーはドットコム企業とも呼ばれていたが、このネットベンチャーに投下される資金による設備投資によってIT関連機器とサービスへの需要が爆発し、古参のシリコンバレー企業の株式も高騰していった。また、加熱するネット企業の起業により極度の人材不足が発生し、人材確保のためにおしゃれな社屋とオフィス家具、レクリエーション用の設備、無料の豪華ランチといったものが浸透し始め、また大量に流入する起業家、投資家、開発者、その他の人々によって周辺地域の経済を加熱させていた。

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バブル期までのLinuxイベント

SNSのTLをだらだらと眺めていると何やらイベントらしき写真が流れてきた。Open Source Summit Japanというイベントが開催中らしい。今時にオープンソースイベントか!と若干心が踊りつつ、アクセスしてみると、

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オープンソースバブルへの道、VA ResearchからVA Linuxへ

オープンソースという言葉がVA Research社のオフィスで誕生して以降、VAを取り巻くビジネス環境は激変することになった。 創業からの数年間は成長とは言っても微々たるものであり、200万ドル程度の年商、つまり当時の秋葉原の小さな雑居ビルに入居していた多くのショップブランドのPCショップよりも小さいような規模であったわけだが、オープンソースというキーワードが突然脚光を浴びてからは、四半期毎に売上が倍増していくような急成長のペースに乗った。

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ソースウェアムーブメントになっていたかもしれない話

VA社からは完全にずれるが、ソースウェア(Sourceware)という語についてもう20年近く心の奥底で気になっていたので供養として書いておく。

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オープンソースの誕生

VA Researchの歴史においてオープンソースは外せない話題であるが、特に1998年の2月から4月までの期間はVAを抜きにしてもオープンソースにとって極めて重要な出来事が多いのでやや詳細に書いていく。現在、一般的にオープンソースの誕生は下記のように説明されることが多いのではないかと思う。

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オープンソースの源流、VAリサーチ社の黎明期

昔々、VA Researchという会社がシリコンバレーにあった。この社名を知っている人は日本ではほとんど存在しないが、この会社はVA Linux Systemsと名を変え、その後に歴史的な株式公開を果たして上場会社となったことでわずかに記憶が残っている人達もいることだろう。さらにこの会社はVA Software、SourceForge、Geeknetと名称を変更し続け、2015年に最後まで残った事業がゲームビデオゲームの小売で最大手となるGameStop社に買収され、独立企業としての生涯を終えた。

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シグマブロガーの定義

アルファブロガーという言葉も死語になりつつある昨今だが、私が何気にIRC近辺で使う「シグマブロガー」という言葉の定義というものを考えてみた。偉大なる シグマプロジェクトにひっかけてシグマブロガーと言っているわけだが、特に大きな意味はなしで、 語感と勢いだけで使っていた言葉に、何となく定義を付けてみたらどうだろうとふと思ったので勢いで書いてみただけの話である。

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コミュニティにとって望ましくない商標登録出願に対する特許庁への情報提供の方法について

私が商標関連でかなりの個人資金を使ってまで悪戦苦闘していたのは、もう10年前のことだ。その当時の私の経験や世界的にいろいろ発生した商標関連の事件のおかげで、オープンソースコミュニティには対処スキルが蓄積されたと思っていたが、平穏な時代が長すぎたということだろうか。

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オープンソース開発者を雇う前に解決すべき課題

オープンソース開発者を雇いたい、と考えている企業は最近では珍しくないのかもしれない。その動機は様々だと思われるが、ここではその前に企業として考えておくべきことを幾つか述べることとする。続きを読む “オープンソース開発者を雇う前に解決すべき課題”

フリーソフトウェアの会社への採用応募者がプロジェクトに参加しないのは何故?

この日記を開始してから何故かぐぐっとくるネタ(あくまで私の基準で)を供給してくれるOkujiさんの日記から。

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オープンソース企業とは

ちょっと古いエントリだがMatz氏の日記でGoogle AdWordseで出てくる「若き日本人によるオープンソース企業」を名乗っている企業の話から。この会社は、「オープンソースアーキテクチャを用いたソフトウェア、システム開発実績を有する」ということでオープンソース企業を名乗っているということだが、まあこれは今時はよくあるパターンではある。珍しいことでもないし、悪いことでもない。でも私も何となくひっかかってしまうことは確かである。

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